④不動産相続

不動産投資と相続対策|評価・手続き・注意点

 

相続では、財産の評価や税金に加え、ご家族での分け方や必要な手続きも確認します。不動産を活用する場合は、納税資金や維持・管理の負担を含めて準備することが大切です。

この記事では、不動産投資と相続対策の関係を、税務上の評価、賃貸収支、借入れ、遺産分割の面から整理します。不動産の購入による節税効果を保証するものではなく、具体的な評価・申告は税理士へご確認ください。

 

監修者
宮原海斗

宮原海斗(株式会社土地未来 代表取締役)

横田大樹

横田大樹(株式会社土地未来)

相続税の基礎控除と制度改正の背景

2015年の改正では、相続税の基礎控除額と税率が見直されました。ここでは改正の背景を振り返ります。実際の申告・納税の要否は、ご家庭の財産・債務・相続人と、適用する制度によって判断します。

 

2015年の相続税制大改正

2015年1月1日から施行された相続税制改正では、相続税について大きく次の2点が変更されました。

  • 基礎控除額の引き下げ
  • 税率の引き上げ

基礎控除額が下がったことで、それまで基礎控除内だった財産額でも、申告や納税の検討が必要になる場合があります。

国税庁「令和3年分 相続税の申告事績の概要」に掲載された課税割合は、2014年が4.4%、2015年が8.0%でした。これは死亡者数に対し、相続税額のある申告書に係る被相続人数が占める割合です。

同資料で2021年の課税割合は9.3%です。これらは制度改正前後を振り返るための過去の全国統計であり、現在の割合や個々のご家庭の納税可能性を示すものではありません。

統計上の割合だけで判断せず、不動産・預貯金・借入れなどの資料を整理し、ご家庭の状況で申告・納税が必要か確認しましょう。

※出典:国税庁 令和3年分 相続税の申告事績の概要(2022年12月公表・PDF)

 

基礎控除額の引き下げ

2015年の相続税制改正による主な変更点2つについて、それぞれ詳細な内容を見ていきましょう。

相続税の基礎控除は、財産の評価、非課税財産、控除できる債務・葬式費用、加算対象の贈与などを反映した正味の遺産額から差し引きます。小規模宅地等の特例を使って基礎控除額以下になる場合など、税額が出なくても申告が必要なケースがあります。

2015年の改正では、基礎控除額が次のように引き下げられました。ここで使う法定相続人の数には、相続放棄や養子について税務上の数え方があります。

表が画面に収まらない場合は、表の中を左右にスクロールできます。

2015年改正前後の相続税の基礎控除
改正前(2014年12月31日まで)5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
改正後(2015年1月1日以降)3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

例として、法定相続人が配偶者と子ども3人の計4人で、税務上の正味の遺産額が6,000万円と仮定します。以下は基礎控除による違いを示す例で、各人の最終的な納税額の計算ではありません。

改正前は、5,000万円+(1,000万円×4人)=9,000万円まで基礎控除の範囲内となるため、本ケースは相続税の課税対象となりませんでした。一方、改正後の基礎控除額は3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円となり、6,000万円−5,400万円=600万円が課税対象になります。

 

税率の引き上げ

相続税制改正における2つ目のポイントが税率の引き上げです。

相続税の税率は、課税遺産総額を法定相続分で仮に分けた各人の取得金額に応じて変わります。2015年の改正では最高税率が50%から55%へ変わり、2億円を超える区分が細分化されました。

改正前後で税率を比較すると、次の表のとおりになります。

表が画面に収まらない場合は、表の中を左右にスクロールできます。

相続税率の2015年改正前後と改正後の控除額
法定相続分に応ずる取得金額改正前の税率改正後の税率改正後の控除額
1,000万円以下10%10%―
1,000万円超~3,000万円以下15%15%50万円
3,000万円超~5,000万円以下20%20%200万円
5,000万円超~1億円以下30%30%700万円
1億円超~2億円以下40%40%1,700万円
2億円超~3億円以下45%2,700万円
3億円超~6億円以下50%50%4,200万円
6億円超55%7,200万円
・出典:国税庁「No.4155 相続税の税率」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm

この表は、課税遺産総額を法定相続分で仮に分けた取得金額に使います。税率を掛けた金額から、同じ区分の控除額を差し引きます。算出した税額を合計し、各人の課税価格が合計に占める割合で配分した後、該当する加算・税額控除を反映します。

基礎控除額と税率だけで納税額は決まりません。各人が取得する財産の評価や適用できる制度も合わせて確認します。

 

2023年度税制改正による変化

2023年度税制改正において、相続税や贈与税に関する規定が一部見直されました。変更となった2点について紹介していきます。

 

生前贈与加算期間が3年から7年へ延長

暦年課税には、贈与を受ける人の年間合計額に対する110万円の基礎控除があります。ただし、相続などで財産を取得した人が被相続人から加算対象期間内に受けた贈与は、110万円以下でも相続税の計算に加算される場合があります。

2024年以降の贈与について、加算期間は段階的に延びます。相続開始が2026年末までなら従来の3年間、2027〜2030年は2024年1月1日から死亡日まで、2031年以降は相続開始前7年間です。延長された3年超の部分には、合計100万円まで加算しない取扱いがあります。

相続時精算課税に年110万円の控除を新設

相続時精算課税は、年齢や親族関係などの要件を満たす場合に、贈与者ごとに選べる制度です。選択届出が必要で、一度選ぶと、その贈与者からの贈与について暦年課税へ戻すことはできません。

2024年以降の贈与には年110万円の基礎控除が設けられ、この控除分は原則として相続時の加算対象から外れます。別に累計2,500万円の特別控除がありますが、こちらは相続時の精算を伴うため、単純な非課税枠ではありません。申告・届出と将来の相続税を含めて税理士に確認しましょう。

不動産の相続手続きの流れ

相続財産に不動産がある場合は、以下の事項を確認します。手続きを順番どおりに終える必要があるという意味ではなく、資料の収集と期限の管理を並行して進めます。

  1. 遺言書を確認する
  2. 相続人を確定する
  3. 相続財産を特定する
  4. 遺産分割協議を行う
  5. 相続登記を行う
  6. 相続税の申告・納税を行う

各フェーズについて詳しく見ていきましょう。

 

遺言書を確認する

相続が発生したら、まずは被相続人の遺言書がないか確認します。

個人が亡くなったとき、法定相続をベースに協議をして相続が行われるのが基本です。ただ「特定の相続人に多く遺産を分け与えたい」「相続人同士の争いを避けたい」などの理由で、被相続人が遺言書を遺しているケースもあります。遺言書がある場合には、原則遺言書の記載内容に従って相続が行われます。

遺産分割協議の後に遺言書が見つかった場合も、その有効性・記載内容・関係者の意向によって対応が変わります。遺言と異なる協議が認められる場合もあるため、どちらかが常に優先すると判断せず、弁護士などに確認してください。

 

相続人を確定する

遺言書の有無を確認できたら、相続人を確定しなければなりません。

相続人の範囲は、同居や生計の状況だけで決まりません。被相続人の出生から死亡までの戸籍など、相続関係に応じた資料で確認します。遺産分割協議では共同相続人全員の関与が必要になるため、疎遠な親族も含め、関係を整理しましょう。

手続きをスムーズに進めるためにも、この段階で抜け漏れなく相続人を確定するようにしましょう。

 

相続財産を特定する

相続人を確定するのと並行して、相続財産も特定しなければなりません。相続財産の一覧は財産目録に取りまとめます。中には、被相続人が生前に財産目録をまとめていて、遺言書とともに遺している場合もあるでしょう。

土地・建物、預貯金、株式などの有価証券や権利を調べ、財産目録に整理します。生命保険金は契約・保険料負担者・受取人を確認し、遺産分割の対象かどうかと、相続税上のみなし相続財産になるかを分けて確認します。

借入れ、クレジットカードの未払い、未納税金などの債務も確認します。住宅ローンは団信による返済免除の有無などを調べ、相続人が引き継ぐ負担と税務上の債務控除を整理します。

 

遺産分割協議を行う

複数の相続人で遺産を分ける必要がある場合、共同相続人全員で分割方法を協議します。遺言で取得者が指定されていても、記載されていない財産などについて協議が必要になる場合があります。相続人が1人の場合は、相続人同士の分割協議はありません。

法定相続分とは異なる分け方を合意する場合もありますが、遺言・遺留分・権利関係などを確認します。不動産の取得者を決める際は、価値だけでなく借入れ、管理の負担、納税資金も考えましょう。

協議が整ったら、決定した内容を「遺産分割協議書」にまとめます。相続人全員が署名・実印で押印し、正式な書面として以後の手続きに使用するのです。

 

相続登記を行う

相続した不動産は、取得の経緯に応じた書類をそろえて相続登記を申請します。相続登記は2024年4月1日に義務化されました。原則として、相続による不動産の取得を知った日から3年以内に申請し、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となることがあります。

施行前の相続も対象です。施行前から取得を知っている未登記の不動産は、原則2027年3月31日までに申請する必要があります。

相続人申告登記は、遺産分割が整わない場合などに基本的な申請義務を簡易に履行する仕組みです。所有権を移す相続登記そのものではなく、遺産分割成立後の登記義務は別に確認する必要があります。

相続税の申告・納税を行う

申告が必要かを確認し、期限内に準備します。遺産分割協議がまとまらなくても、相続税の申告・納税期限は自動で延びません。未分割で申告する場合の計算や、分割後の特例の手続きは税理士へ確認します。

申告が必要な場合、原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納税します。期限が土日祝日等の場合の取扱い、利用する納付方法の条件や手数料も確認しましょう。

申告書は、書面もしくはe-Taxでも提出可能。提出先は、被相続人が亡くなったときに住んでいた場所を所轄する税務署長となっています。相続人が住んでいる場所を所轄する税務署長への提出ではないため、注意しましょう。

 

不動産の取得と相続税評価の関係

不動産の購入価格と相続税評価額は一致するとは限りません。ただし、評価額の違いだけを理由に購入や借入れを決めず、取得費用・収支・税務上の取扱いを確認します。

 

財産の種類によって評価方法が異なる

相続税の評価方法は財産の種類によって異なります。現金・預貯金と、株式・投資信託を、すべて額面どおりの同じ方法で評価するわけではありません。

土地・建物も、購入価格や売却査定額をそのまま相続税評価額にするとは限りません。財産ごとの評価と、債務、基礎控除、適用できる特例を合わせて税額を検討します。資産を不動産へ組み換えれば必ず節税できる、というものではありません。

土地・建物の相続税評価額の計算方法

それでは、不動産の相続税評価額はどのように計算するのでしょうか。土地・建物それぞれの計算方法を見ていきましょう。

 

土地部分の相続税評価額

宅地の評価は、地域に応じて「路線価方式」または「倍率方式」を使うのが基本です。農地・山林などは、地目や分類に応じた方法を確認します。

 

路線価方式

路線価方式では、国税庁が通常7月に公表する路線価図を使います。相続開始年の資料を選び、対象地の路線価・地目・利用状況を確認します。

路線価は路線(道路)ごとに設定されています。面する道路の路線価を基準として、対象となる土地の相続税評価額を計算するのです。具体的には、次の計算式で評価します。

宅地の基本的な評価額 = 補正・加算後の1㎡あたりの価額 × 実際の地積(㎡)

補正率とは、「道路からの奥行距離が長い」「前面道路に接する間口が狭い」「形状がいびつ」など、利用しづらい土地の評価を正確に表すための割合のこと。「2つ以上の道路に面している」など、利用価値の高い土地については加算率を考慮します。

 

倍率方式

路線価が定められていない地域の宅地は、原則として倍率方式で評価します。都市部・郊外といった印象だけで判断せず、対象年の評価倍率表で確認します。

倍率方式における評価額の計算方法は次のとおりです。

相続税評価額 = 土地の固定資産税評価額 × 評価倍率 

固定資産税評価額は、課税明細書や評価証明書で確認します。住宅用地の特例などを反映した課税標準額と「価格(評価額)」は異なるため、転記する欄を確認してください。

なお、路線価と評価倍率は国税庁のwebサイトで確認することができます。

(参考)国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」

 

小規模宅地等の特例

一定の宅地等には、相続税の評価額を減額する特例があります。特定居住用宅地等は330平方メートルまで80%、貸付事業用宅地等は200平方メートルまで50%の減額が基本です。

誰が取得するか、居住・事業・保有を続けるか、貸付けを始めた時期など、区分ごとに条件があります。「配偶者が取得する」「持ち家に住んでいない」といった一つの条件だけで判断できません。申告要件や複数の宅地を選ぶ場合の面積調整も含めて確認しましょう。

建物部分の相続税評価額

次に、建物部分の相続税評価額の計算方法について見ていきます。

自用の家屋は、原則として固定資産税評価額を基に評価します。ただし、一定の分譲マンションでは2024年以降、区分所有補正率による補正が必要です。賃貸中の家屋にも別の調整があるため、次の式だけで全物件を評価できるわけではありません。

自用の家屋の基本的な評価額 = 固定資産税評価額 × 1.0

固定資産税評価額は固定資産評価基準に基づき、市町村(東京23区は東京都)が評価します。相続開始年の課税明細書や評価証明書で、対象の建物の価格を確認してください。

 

借地権割合・借家権割合・賃貸割合

賃貸不動産は、貸家・貸家建付地・貸宅地などの区分により評価が異なります。土地だけを貸している場合と、自分の土地にある自分の建物を貸す場合を区別し、契約と利用状況を確認します。

次の式は、貸家建付地と貸家の基本を示すものです。一定の区分所有マンションは別途補正を行うため、固定資産税評価額だけで評価を完結させないよう注意します。

貸家建付地の相続税評価額 = 更地としての評価額 ×(1− 借家権割合 × 借地権割合 × 賃貸割合)

貸家の基本的な評価額 = 自用の家屋としての価額 ×(1 − 借家権割合 × 賃貸割合)

借地権割合は路線価図や評価倍率表で確認します。路線価図のA~Gは90~30%を示しますが、所在地や権利の種類を確認し、図の数字だけで貸家建付地などの評価を確定させないようにします。

借家権割合も対象年の財産評価基準書で確認します。賃貸割合は戸数比ではなく、各独立部分の床面積合計に占める賃貸中の各独立部分の床面積を基に計算します。一時的な空室の扱いは、従前の賃貸・募集・利用状況などから判断します。

 

2024年からの分譲マンションの評価

2024年1月1日以降に相続・遺贈・贈与で取得する一定の分譲マンションには、新しい評価ルールが適用されています。検討中の制度ではなく、すでに適用が始まっています。

タワーマンションだけを対象とする制度ではありません。建物と敷地利用権の評価に区分所有補正率を用いる仕組みで、築年数、総階数、所在階、敷地持分などを確認します。適用対象外の建物もあるため、国税庁の資料に基づいて個別に判定しましょう。

参考:国税庁:居住用の区分所有財産の評価

家賃収支・借入れ・資産の持ち方も確認する

相続対策で不動産を検討するときは、税務上の評価に加えて、運営の収支と家族が引き継ぐ負担を確認します。

 

家賃収入を得ることができる

賃貸物件には家賃収入を得られる可能性があります。ただし、収入の全額が手元に残るわけではなく、空室、管理費、修繕費、税金、借入返済などを見込む必要があります。

相続時の納税資金や生活費として現預金を残すことも大切です。節税だけを目的に再投資を繰り返すのではなく、手元資金と運営の負担、相続人の意向を合わせて検討しましょう。

借入金と債務控除の関係

相続税では、被相続人の死亡時に存在し、確実と認められる借入金などを控除できる場合があります。返済義務である「債務」と、貸付金などを受け取る権利である「債権」は別です。

借入金をそのまま現金で保有すれば、資産と債務がともに増えるため、借りるだけで節税になるわけではありません。不動産の購入を伴う場合も、物件の評価、取得費用、返済能力、相続人が引き継ぐ負担を確認します。

団体信用生命保険で死亡時に消滅するローンなど、相続人が負担しない債務は取扱いが異なります。借入残高を機械的に全額控除せず、契約と適用条件を税理士に確認しましょう。

参考:国税庁:相続財産から控除できる債務

物価変動と不動産の収支

不動産は実物資産ですが、物価が上がれば必ず価格や家賃も上がるとは限りません。地域の需要、建物の状態、賃貸借契約などによって変わり、修繕費や金利の上昇が収支を圧迫することもあります。

現預金の流動性と、不動産の収益性・維持費を比較し、資産を一種類に集中させない視点も持って検討しましょう。

不動産投資による相続対策の注意点

不動産を活用した相続対策では、税務・運営・遺産分割のそれぞれに注意が必要です。主な確認点を見ていきましょう。

 

相続争いになる可能性

実物資産である不動産は、現金や預貯金に比べて分割が難しいという特徴があります。不動産は資産額が大きいため、分割せずに誰か一人が相続を受けるというのも、相続人の間での不公平感につながるでしょう。最悪の場合、不動産の分割方針をめぐって相続争いが起きる可能性もあるのです。

物件を一人ずつに分ける案でも、物件数が同じなら公平とは限りません。価値・借入残高・家賃収支・修繕予定が異なるため、取得者の希望と負担を確認し、分割方法を検討します。

分割による争いを未然に防ぐには、遺言書を遺しておくのも効果的です。遺言書で取得者を指定する方法がありますが、遺留分や遺言の有効性、登記などの手続きにも配慮が必要です。相続資産に不動産が含まれる場合「どの物件を誰に相続するか」を決め、遺言書に明記しておくのがおすすめです。

 

賃貸経営に失敗するリスク

賃貸経営が計画どおりに進まなければ、税負担の軽減を上回る損失や資金不足につながる可能性があります。運営が順調であることだけで、相続対策として適切と決まるわけでもありません。

購入前に、家賃・稼働率・修繕費・金利が想定より不利になった場合の収支を確認します。主なリスクの例は次のとおりです。

  • 空室リスク   :空室が発生して家賃収入が入らなくなるリスク
  • 家賃下落リスク :築年数の経過につれて家賃収入が低減していくリスク
  • 家賃滞納リスク :家賃を滞納する入居者がいて、期待どおりの家賃収入が入らないリスク
  • 修繕リスク   :建物や設備の不具合などにより、想定外の修繕・設備費用が生じるリスク

物件や融資条件、管理体制を比較しても、リスクをなくすことはできません。収入が減った場合の返済余力、大規模修繕・災害への備え、売却に時間がかかる場合の資金も検討します。

収支見込みの根拠と費用を確認し、ご家族が管理を続けられるか、売却や他の資産の持ち方も含めて判断しましょう。

 

国税当局に否認される可能性

財産評価基本通達どおりの評価が、すべてのケースで認められるとは限りません。2022年4月19日の最高裁判決(令和2年〔行ヒ〕第283号)では、不動産の購入・借入れの経緯や税負担への影響などの事情から、通達による評価を上回る鑑定評価額に基づく課税が認められました。

単に物件価格が高い、評価額に差があるという理由だけで同じ結論になるわけではありません。投資や借入れを実行する前に、取引の目的と収支を整理し、評価の妥当性を税理士などの専門家へ確認しましょう。

参考:最高裁2022年4月19日判決(不動産適正取引推進機構掲載・裁判所判決文)

まとめ 税負担と運営・相続のしやすさを合わせて検討する

不動産を活用した相続対策は、評価額だけでなく、家賃収支、修繕、借入返済、納税資金、遺産分割を一緒に検討することが大切です。ご家族の希望や資産の状況によって、適した方法は変わります。

株式会社土地未来は、東京都内を中心に土地・不動産の売却、買取、活用のご相談に対応しています。税務・登記の判断は各専門家と確認しながら、進め方を整理しましょう。不動産の相続相談はこちら。

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