④不動産相続

不動産の相続はどこに相談すべき?相談先をケース別に紹介

不動産の相続は、相続税や名義変更、遺産分割協議など多くの手続きが必要です。これらの手続きは専門的な知識が求められるため、適切な専門家へ相談することが重要です。

この記事では、さまざまなケースに応じた相談先や専門家に相談する理由、タイミングを解説します。

不動産の相続手続きをスムーズに進めたい方や、どの専門家に相談すればよいか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

監修者
宮原海斗

宮原海斗株式会社Gen’Z 代表取締役

宅地建物取引士/相談診断士

横田大樹

横田大樹株式会社Gen’Z 専務執行役

宅地建物取引士/相談診断士

ケース別に見る不動産の相続についての相談先

不動産の相続は複雑な手続きが伴いますが、適切な専門家に相談するとスムーズです。ここでは、以下のケース別にどこに相談すべきかを紹介します。

  • 相続税に関する相談は税理士へ
  • 遺産分割協議に関する相談は司法書士へ
  • 名義変更に関する相談は司法書士または法務局へ
  • 売却に関する相談は不動産会社へ
  • アパート経営に関する相談は管理会社へ
  • 土地活用に関する相談はハウスメーカーへ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

相続税に関する相談は税理士へ

相続税の計算や申告は複雑で、ほとんどの人にとっては難解な手続きです。節税対策のアドバイスも得られるため、余計な出費を防ぐためにも税理士へ相談しましょう。
税理士のサポート内容を以下にまとめました。

  • 相続税の計算:財産の評価、基礎控除額の算定、税額の計算
  • 申告書の作成:相続税申告書の作成と提出
  • 節税対策:生前贈与やほかの合法的な節税対策の提案

なお、相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。この期間内に申告と納税を完了しなければなりません。相続が発生した時点で、早めに税理士に相談しましょう。

関連記事:不動産の相続税評価額の計算方法は?減額できるケースも解説

遺産分割協議に関する相談は司法書士へ

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要な重要な手続きです。この協議を円満に進めるためには、司法書士への相談が必要です。
司法書士が実施する手続きを、以下にまとめました。

  • 遺産分割協議書の作成:法的に有効な遺産分割協議書の作成
  • 相続登記の手続き:不動産の名義変更手続きのサポート
  • 法定相続人の調査:相続人の確認と調査

遺産分割協議は、相続人同士のトラブルを避けるためにも早めに行うことが重要です。相続が発生した時点で司法書士に相談すると、必要な書類の準備や手続きがスムーズに進められます。

とくに、遺産分割協議書の作成は、法律に基づいた正確な記載が求められるため、専門家の助けを借りることが望ましいしょう。

名義変更に関する相談は司法書士または法務局へ

不動産の名義変更には相続登記が必要であるため、法的な専門知識が欠かせません。司法書士や法務局に相談しましょう。なお、法務局では登記官が無料でアドバイスしてくれるため、費用を節約したい場合におすすめです。
司法書士および法務局の対応内容をまとめました。

  • 相続登記の手続き:不動産の名義変更手続きの代行
  • 必要書類の作成:登記に必要な書類の準備と作成
  • 相談とアドバイス:法務局では登記官が手続き方法を教えてくれる

名義変更の手続きは、相続が発生した時点で早めに行うことが重要です。とくに相続した不動産を売却する予定がある場合、所有者を明確にするために名義変更が必要です。

また、名義変更は2024年4月から義務化されました。義務化以前に相続した不動産も対象となるため、早めに手続きすることが求められます。

参考|法務省「相続登記の申請義務化特設ページ」

売却に関する相談は不動産会社へ

相続した不動産を売却する際には、不動産会社への相談が必要です。経験豊富な不動産会社に任せると、自分では出会えない好条件の方にスムーズに物件を売却できる可能性があります。
不動産会社のサポートは以下のとおりです。

  • 物件の査定:市場価格や物件の状態をもとに売却価格を査定
  • 売却手続き:売却に必要な手続きのサポート
  • 買い手の紹介:適切な買い手を見つけるためのマーケティングと交渉

なお、相続税の納税資金として不動産を売却する場合、納税期限までに売却を完了させる必要があります。そのため、相続が発生した時点で不動産会社に相談し、売却手続きを進めるとよいでしょう。

関連記事:不動産会社の種類とは?賃貸仲介の仕事内容や手数料も解説

アパート経営に関する相談は管理会社へ

アパート経営を引き継ぐ際、管理会社への相談が重要です。管理会社は、入居者管理や建物管理を含むさまざまな業務をサポートしてくれます。
管理会社が提供するおもなサービスは、以下のとおりです。

  • 入居者管理:入居者募集から賃貸借契約の管理、家賃の集金、トラブル対応、退去手続きまでをサポート
  • 建物管理:建物の清掃や設備の点検、修繕などを行い、長期修繕計画の立案や大規模修繕工事も実施

トラブルなくアパート経営の手続きをするためには、信頼できる管理会社を選ぶことが重要です。先代の管理会社が、必ずしも最適であるとは限りません。相続を機に、新たな管理会社を検討するのも1つの方法です。

土地活用に関する相談はハウスメーカーへ

土地を有効に活用したい場合、ハウスメーカーへ相談するのがよいでしょう。ハウスメーカーは、さまざまな土地活用の提案を通じて、最適な方法を見つける手助けをしてくれます。
ハウスメーカーのサービス内容をまとめました。

  • 土地活用の提案:アパートやマンション経営、駐車場経営、店舗やオフィスビルの建設など立地条件に応じた最適な活用方法を提案
  • 収益シミュレーション:建築費や運営費、将来の収益予測や節税効果などをシミュレーションし、具体的な数値で示す

土地活用の相談は、遺産分割が完了して不動産の名義変更が済んだあとが最適です。所有者が確定している状態で相談することで、手続きがスムーズに進みます。

関連記事:土地の相続に関する完全ガイド|手続き・費用・税金・注意点を徹底解説

不動産の相続について専門家に相談したほうがよい理由は?

不動産の相続は、ほかの財産と比べて特有の複雑さがあります。ここでは、専門家に相談するべき理由を2つ説明します。

  • 理由①相続方法で争いが起きる可能性があるため
  • 理由②相続登記の手続きが複雑なため

これらに納得したうえで、相談を進めましょう。

理由①相続方法で争いが起きる可能性があるため

不動産の相続は、相続人の間でトラブルが発生しがちです。なぜなら、不動産が高額な財産で、分割方法も多岐にわたるためです。たとえば、現物分割や代償分割、換価分割など複数の分割方法が存在します。
各方法にはメリットとデメリットがあり、相続人全員が納得する方法を見つけるのは難しい側面があります。

専門家はこのような場合でも、適切な評価方法や分割方法を教えてくれるため、相続人同士の争いを未然に防げるでしょう。とくに、弁護士や司法書士は法的な観点から公平な解決策を提案してくれるため、安心して相続手続きを進められます。

理由②相続登記の手続きが複雑なため

不動産の相続は、法務局で名義変更の手続きを行います。この手続きは登記申請書の作成や登記免許税の計算など、複雑な作業が伴います。自力で対応できる人もいるかもしれませんが、多くの時間と労力を要するため、知識のない初心者には大きな負担となるでしょう。
司法書士は、必要な書類の準備や提出、法務局とのやり取りなど一連の手続きを代行してくれます。そのため、安心して手続きを進められ、時間と労力を節約することが可能です。

不動産の相続について相談するタイミング

不動産の相続は、相続が発生する前後どちらのタイミングでも、専門家への相談が重要です。ここでは、各タイミングの相談ポイントを説明します。

  • 相続発生前
  • 相続発生後

それぞれ見ていきましょう。

相続発生前

相続が発生する前に専門家へ相談することで、多くのトラブルを未然に防ぐことが可能です。たとえば、税理士からは生前贈与の計画や控除、減額制度などの節税対策のアドバイスが得られます。
また、弁護士は遺言書の作成や相続人の間のトラブル回避に貢献する存在です。事前の相談により、必要な書類や手続きの内容を把握でき、相続発生時に冷静に対処するための準備を整えられるでしょう。

さらに、相続発生前に不動産の測量や隣地との境界線の確認などを行っておくと、相続発生後の不動産売却がスムーズに進みます。

相続発生後

相続が発生したあとの場合、相続方法(単純承認・限定承認・相続放棄)の決定や準確定申告、相続税の申告など多くの手続きを期限内に行う必要があります。
なお、各手続きの申告期限は相続開始を知った日から以下のとおりです。

  • 相続放棄、限定承認:3ヶ月以内
  • 準確定申告:4ヶ月以内
  • 相続税の申告・納税:10ヶ月以内

タイトなスケジュールの中、相続人全員の意見をまとめて、必要な書類を揃えるためには、専門家のサポートが不可欠です。

相続を知った早い段階で弁護士や税理士に依頼することで、不測の事態にも対応できスムーズに相続手続きを進められます。

相談前に確認しておくべきこと

ここでは、専門家から適切なアドバイスを受けるために、相談前に確認しておくべき4つのポイントを解説します。

  • 遺言書の有無
  • 必要書類の準備
  • 財産の把握
  • 相続人の確定

それぞれ見ていきましょう。

遺言書の有無

遺言書が存在する場合、相続の手続きはその内容に従うことが基本です。遺言書がない場合は、相続人全員が合意する遺産分割協議を行う必要があります。協議が成立しなければ、相続がスムーズに進まない可能性が高いため、早めの行動が大切です。
また、遺言書が法的に有効かどうかも忘れずにチェックしましょう。

必要書類の準備

不動産の資料として、以下の資料が必要です。

  • 固定資産評価証明書
  • 登記済権利証
  • 被相続人の戸籍謄本、住民票の除票
  • 相続人の戸籍謄本、住民票

これらの書類が揃っていないと、相続手続きが遅れる可能性があります。

財産の把握

相続の相談をする前に、被相続人の財産状況を把握しておくことが重要です。財産には以下のように、プラスのものとマイナスのものがあります。

プラスの財産マイナスの財産
  • 現金
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 貴金属
  • 不動産
  • 借金
  • 未払いの税金
  • 損害賠償金
  • 連帯保証人の地位

これらの財産状況を、あらかじめリスト化しておくのがおすすめです。正確に把握することで、専門家に相談する際に誤解なく、適切なアドバイスを受けられます。

相続人の確定

法定相続人は、以下のとおり民法で定められた順位に従って決まります。

  • 第1順位:被相続人の子および代襲相続人(孫)
  • 第2順位:直系尊属(両親)
  • 第3順位:兄弟姉妹および代襲相続人(甥・姪)

相続人が確定していないと、手続き中にトラブルが発生する可能性があります。

また、隠し子の存在なども確認しておくことが重要です。被相続人の戸籍を辿って事前の調査も検討しましょう。

参考:国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」

不動産の相続について相談する際の流れ

不動産の相続に関する相談をスムーズに進めるためには、事前に準備を整えておくことが重要です。ここでは、法務局に相談する際の具体的な手順を紹介します。

  • ステップ①相続する不動産を管轄している法務局を探す
  • ステップ②相談の日時を定めて予約する
  • ステップ③必要書類を集める
  • ステップ④法務局にて相談する

順を追って見ていきましょう。

ステップ①相続する不動産を管轄している法務局を探す

不動産の所在地によって管轄する法務局が異なります。そのため、法務局の公式Webサイトの「管轄のご案内」ページを利用して確認しましょう。
管轄法務局が分かったら、法務局の連絡先や所在地も確認しておきます。遠方の不動産の場合は、最寄りの法務局で対応してもらえるか事前に問い合わせてください。

ステップ②相談の日時を定めて予約する

法務局の予約方法は、各法務局の公式Webサイトや電話で確認可能です。指定された方法で、日程をおさえましょう。
なお、希望する日時がすぐに予約できない場合もあるため、複数の候補日を用意しておくとスムーズです。予約が確定したら日時と場所をメモして、相談当日に備えましょう。

ステップ③必要書類を集める

相談に先立ち、必要な書類を以下にまとめました。

  • 不動産に関する資料(固定資産評価証明書、登記済権利証など)
  • 被相続人の資料(戸籍謄本、除籍謄本、住民票の除票など)
  • 相続人の資料(戸籍謄本、住民票など)
  • 相談に関係する資料(遺言書、遺産分割協議書など)
  • 身分証明書、印鑑

これらの書類を事前に揃えておくことで、スムーズに手続きできます。また、聞きたいことや不明点は事前にメモしておくとよいでしょう。

ステップ④法務局にて相談する

予約した日時に法務局を訪れましょう。法務局では、無料で登記手続きに関する相談が受けられます。
対面での相談が基本ですが、電話やオンラインでも可能な場合もあります。Web登記手続き案内などのサービスを利用すると、自宅からでも相談可能です。

相談時には準備した書類を提出し、具体的な手続き方法や必要な手順の説明を受けてください。

不動産の相続についての相談時にチェックしておきたいポイント

自身の状況に合った適切な専門家を選ぶことで、スムーズな手続きとトラブル回避が期待できます。ここでは、相談時にチェックしておきたい3つのポイントを紹介します。

  • ポイント①専門家とのコミュニケーションがとりやすいか
  • ポイント②デメリットについても話してくれるか
  • ポイント③費用について明確に説明してくれるか

それぞれ見ていきましょう。

ポイント①専門家とのコミュニケーションがとりやすいか

相続手続きは複雑で時間がかかるため、専門家との円滑なコミュニケーションが不可欠です。相談しやすい雰囲気や、丁寧に質問に答えてくれるかどうかを確認しましょう。
自分の話を親身になって聞いてくれるか、専門用語を分かりやすく説明してくれるかなど、初回相談時に専門家の対応をチェックすることが大切です。信頼できる専門家を選ぶことで、安心して任せられます。

ポイント②デメリットについても話してくれるか

不動産の相続にはメリットだけでなく、デメリットやリスクも存在します。たとえば、相続税の負担や不動産の管理コスト、将来的な売却の難しさなどがあげられます。
もし、専門家が自身が不利になるようなデメリットも率直に話してくれる場合、信頼できるサインといえるかもしれません。

質問したことに対して包み隠さず説明してくれる専門家であれば、相続後のトラブルを未然に防げるだけでなく、納得のいく選択ができるでしょう。

ポイント③費用について明確に説明してくれるか

相続手続きにはさまざまな費用がかかりますが、これらの費用を事前に明確に説明してくれる専門家を選ぶことが重要です。
初回相談料や手続きの依頼費用、成功報酬など費用の内訳や総額を詳細に説明してもらいましょう。費用が不明確なまま依頼すると予期せぬ高額な請求が発生する可能性があります。

費用の説明に透明性がある専門家を選ぶと、安心して手続きを任せられます。

不動産の相続について相談する際に持参するもの

不動産相続の相談には、事前に必要な書類や情報を準備しておくことが重要です。以下に、相談時に持参すべき書類とその詳細をまとめました。

必要書類詳細獲得場所
不動産に関する資料
  • 固定資産評価証明書
  • 登記済権利証
  • 市区町村役場
  • 不動産登記所
被相続人に関する資料
  • 戸籍謄本
  • 除籍謄本
  • 改製原戸籍
  • 住民票の除票
  • 戸籍の附票
市区町村役場
相続人に関する資料
  • 戸籍謄本
  • 住民票
市区町村役場
相談に関係する資料
  • 遺言書
  • 遺産分割協議書
  • ほかの相続人とのやり取り
個人による
相談したいことをまとめたメモ相続に関する質問や懸念点を書き留めたメモ自身で作成
身分証明書、印鑑、現金
  • 本人確認書類
  • 印鑑
  • 相談料などの支払い用
自身で準備

上記の書類を事前に集め、専門家と具体的に打ち合わせしましょう。

まとめ

不動産の相続は、多くの手続きが伴います。これらの手続きをスムーズに進めるためには、目的別に適切な専門家へ相談することが重要です。

また、相続発生前に相談することで、節税対策やトラブル回避の準備が整います。相続発生後は、手続き期限に余裕がなくなるため早めの対処が大切です。

専門家を選ぶ際は、コミュニケーションのとりやすさや信頼性、費用などから総合的に判断するとよいでしょう。
早めのタイミングで最適な専門家を見つけ、納得できる相続手続きを進めてください。

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