②不動産売却

土地を売る流れ|共有・相続・借地と費用・税金の確認点

使っていない土地を売りたいと考えたら、まず所有者・土地の状態・希望する時期を整理しましょう。境界、共有、相続、借地などの事情によって、必要な確認や手続きが変わります。

この記事では、土地売却の流れや手続き、注意点を解説します。早く売りたい人も、なるべく高く売りたい人も、参考にしてください。

監修者
宮原海斗

宮原海斗(株式会社土地未来 代表取締役)

横田大樹

横田大樹(株式会社土地未来)

土地を売る主な方法:仲介と買取

仲介は、不動産会社に買主探しや条件調整などを依頼する方法です。売り出し価格を相談して決めますが、成約価格や売れる時期は需要・物件条件・交渉によって変わり、査定額で売れる保証はありません。

買取は、不動産会社が買主となって土地を購入する方法です。条件が合えば買主を探す期間を省けますが、調査・権利関係の整理などに時間がかかる場合もあります。価格は個別の提示額を確認し、仲介相場の一定割合と決めつけないことが大切です。

価格、時期、広告を出せる範囲、費用や契約上の責任を比較して選びましょう。買取でも登記や関係者との調整は必要で、誰にも知られないことを保証できるものではありません。このほか直接売買もありますが、調査や契約・決済の手配を当事者が行う必要があります。

土地売却の流れ

ここでは、不動産会社の仲介で土地を売却する場合を、準備から確定申告の確認まで6つのステップで紹介します。買取や直接売買では、販売活動など一部の流れが異なります。

  • ステップ①事前準備
  • ステップ②査定
  • ステップ③販売活動
  • ステップ④売買契約
  • ステップ⑤決済・引き渡し
  • ステップ⑥確定申告

適切な準備と流れを理解し、トラブルを防いでスムーズな売却を実現しましょう。

ステップ①事前準備

土地を売る前に、下記の準備を行いましょう。

  • 希望条件やスケジュールの整理
  • 相場の確認
  • 境界・測量資料と権利関係の確認

近隣の売出事例に加え、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報などを参考にします。売出価格と成約価格は異なるため、時期・面積・接道・用途地域など条件の違いも比べましょう。

登記事項証明書や地積測量図、境界確認の資料を集め、実際の状態と照合します。境界や面積が不明確なときは、買主へ説明する内容や契約条件を整理し、測量の必要性・範囲・費用・期間を土地家屋調査士などに確認しましょう。

これらの準備によって売却の手続きがスムーズに進められ、買主との信頼も得やすくなるでしょう。

関連記事: 土地の資産価値とは?価値を決める基準や価格の調べ方を解説

ステップ②査定

不動産会社に査定を依頼し、価格の根拠を確認します。資料中心の簡易査定と、現地の条件を確認する訪問査定がありますが、どちらも売れる価格を確定するものではありません。未調査の事項や想定した売却期間も確認しましょう。

訪問査定では、下記の情報を実際に確認したうえで、査定価格が算出されます。

  • 土地の形状
  • 接道状況
  • 境界
  • 周辺の環境

提示された金額だけでなく、価格の根拠や担当者の対応もチェックし、複数の不動産会社を比較検討することが大切です。査定結果に納得できたら、売却を依頼する会社と「媒介契約」を締結します。

媒介契約の種類ごとの依頼先数、自己発見取引、活動報告などの違いを確認し、ご自身の売却方針に合うものを選びましょう。

ステップ③販売活動

媒介契約を結んだあと、不動産会社が広告やネットを活用して買主を募る販売活動がはじまります。

不動産会社と、広告の範囲、現地見学への対応、売主が準備する資料や作業を決めます。問い合わせの窓口を任せても、現況の説明や条件の判断は売主の協力が必要です。境界に課題があれば、測量や隣地との確認に必要な時間も見込みましょう。

売り出し価格は、査定額をベースに売主の希望を加味して決定していくのが一般的です。市場の動向や販売戦略についても、不動産会社と相談しながら慎重に進めましょう。

関連記事:不動産の売買に仲介業者はいらない?利用すべき理由を解説

ステップ④売買契約

仲介会社の宅地建物取引士が買主に重要事項を説明し、双方が売買条件を確認して契約します。手付金を定める場合は金額・授受方法・解除条件を確認しましょう。解約手付では、原則として相手方が履行に着手するまで、買主は手付放棄、売主は倍額の現実の提供による解除が可能ですが、契約の期限や適用法も確認が必要です。違約金とは区別します。

契約前に、代金・引渡日・境界・測量・残置物・融資利用時の解除条件・契約不適合責任を確認します。契約時の必要書類と、仲介手数料の金額・支払時期も事前に確認してください。手数料を半額ずつ支払うことが一律に決まっているわけではありません。

事前に費用の内訳を確認しておくと安心できます。

関連記事: 不動産売却の流れは?必要書類やかかる費用を解説

ステップ⑤決済・引き渡し

決済前に、残代金の送金、本人確認、登記書類、融資やローン返済の手順を関係者で調整します。決済は金融機関で行う例がありますが、全員が同じ場所に集まる方法に限りません。採用する方法と入金確認の手順を確かめましょう。

決済当日は入金と必要書類を確認し、合意した引渡しや費用の精算、ローン返済などを進めます。司法書士に依頼する場合は、所有権移転や抵当権抹消の登記申請ができる状態かを確認し、申請・完了の報告を受けましょう。

土地の所有権が移る時期や条件は売買契約で確認します。現地の引渡しと登記は同じ意味ではなく、登記は権利関係を第三者に示すためにも重要です。決済後の登記完了と、申告の要否まで確認してください。

ステップ⑥確定申告

売却で課税される譲渡所得が生じる場合は、原則として翌年の確定申告が必要です。申告期間は通常2月16日から3月15日ですが、休日や特例などで変わるため、その年の国税庁の案内を確認します。特別控除により税額が0になる場合でも、その適用のために申告が必要なことがあります。

譲渡所得の計算では、売るために直接かかった費用を譲渡費用として差し引きます。次の費用も、目的や内容によって対象になるかが異なります。修繕費や固定資産税など、維持・管理の費用は原則として含めません。

  • 売却のために直接必要となった測量費
  • 土地を売るために建物を取り壊した費用
  • 売却に際して支払った仲介手数料

そのため、領収書や支払い証明は大切に保管しておきましょう。

特別控除は土地なら一律に使えるものではありません。マイホームの敷地、相続した被相続人の居住用財産、低未利用土地など、制度ごとに対象・期限・併用条件が異なります。取得時の資料と費用の証明を整理し、税務署や税理士へ確認しましょう。

土地の売却を成功させるポイント

土地をスムーズかつ希望条件に近い形で売却するためには、手続きを進めるだけでは不十分です。ここでは、売却成功に向けたポイントを解説します。

  • 事前準備
  • 売却活動中
  • 売買契約後

詳しく見ていきましょう。

事前準備

売却前の段階では、下記のポイントを押さえることが肝心です。

  • ポイント①土地の売買を得意とする不動産会社を選ぶ
  • ポイント②名義変更ができているか確認する
  • ポイント③相場を確認する
  • ポイント④境界と測量の必要性を確認する
  • ポイント⑤売却時に必要な書類を確認する

それぞれ解説します。

ポイント①土地の売買を得意とする不動産会社を選ぶ

不動産会社には、マンションや戸建てをおもに扱う会社もあれば、土地売買に強い会社もあります。土地の売却では、下記の項目において専門的な知識が求められます。

  • 地形
  • 接道状況
  • 用途地域
  • 建築条件

土地の条件を踏まえた価格の根拠、想定する買主、販売方法、調査する範囲を説明してもらいましょう。取引経験だけで判断せず、担当者の説明や活動報告、契約後の対応範囲も比べることが大切です。

複数社を比較する場合は、査定額の高さだけでなく、費用・契約条件・連絡方法も確認します。口コミは参考情報の一つとし、一括査定を使うときは情報の提供先や連絡方法を確認してから申し込みましょう。

ポイント②名義変更ができているか確認する

登記事項証明書で所有者や抵当権などを確認します。相続や贈与後も前の所有者名義になっている場合は、買主への所有権移転に向けて必要な登記を整理します。名義整理の前でも売却相談や資料収集はできますが、決済までの手順は司法書士などに確認しましょう。

相続登記は2024年4月1日から義務化されました。原則として相続で所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請します。施行前に取得を知っていた未登記の相続は、原則2027年3月31日までが期限です。正当な理由のない違反は10万円以下の過料の対象となる場合があります。

遺産分割が成立した場合には、その日から3年以内に結果を登記する義務もあります。相続人申告登記で基本的な義務を履行できる場合でも、売却のための相続登記とは異なります。住所・氏名の変更も含め、必要な手続きを法務局や司法書士に確認しましょう。

ポイント③相場を確認する

土地を売却する際には、自分の土地がどのくらいの価格で売れそうか、相場を把握することが重要です。相場を知ることで、適正な売り出し価格の設定がしやすくなり、買主との交渉でも不利になりにくくなります。

同じエリア・坪数・用途の土地と比較し、自分の土地の価値を客観的に見極めましょう。

ポイント④境界と測量の必要性を確認する

境界が曖昧な場合は、引渡し後のトラブルを防ぐため、既存の測量図・境界標・隣地との確認資料を調べます。買主の利用目的も踏まえ、境界の明示や測量を契約条件にするかを協議しましょう。

境界標がない場合や資料に食い違いがある場合は、土地家屋調査士に相談します。すべての土地売却で新たな境界確定測量が一律に義務付けられるわけではありません。必要な作業と隣接所有者の確認、費用・期間を見込んで判断します。

ポイント⑤売却時に必要な書類を確認する

必要書類は取引の内容や登記の状況によって異なります。代表的なものは次のとおりですが、この3点だけで足りるとは限りません。

  • 登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 印鑑証明書
  • 固定資産税評価証明書

必要書類は契約時と決済・登記時に分け、提出先・有効期間・必要通数を確認しましょう。登記済証や登記識別情報を紛失しても再発行はされませんが、別の本人確認手続きで登記できる場合があります。早めに司法書士へ伝えてください。

相続登記が必要な場合は、戸籍、遺言書や遺産分割協議書などの資料を、取得の経緯に応じて用意します。相続関係説明図などの取扱いも含め、法務局や司法書士に確認しましょう。

売却活動中

土地の売却活動がはじまったあとは、不動産会社による販売戦略に任せきりにせず、売主としても意識しておきたいポイントがあります。

とくに、下記の3つは、スムーズな売却やトラブル防止に向けて重要なポイントです。

  • ポイント①媒介契約の種類について押さえる
  • ポイント②内覧に向けた準備を行う
  • ポイント③売買契約書・重要事項説明書の内容を把握する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ポイント①媒介契約の種類について押さえる

不動産会社に仲介を依頼する際の媒介契約には、主に次の3種類があります。不動産会社への直接買取とは契約の役割が異なります。

  • 専属専任
  • 専任
  • 一般

契約の範囲や販売方法に違いがあるため、自分に合ったものを選ぶことが重要です。

専属専任媒介契約は依頼先が1社に限られ、自分で見つけた相手との売買も依頼先を通します。原則としてレインズへの登録は契約翌日から5日以内(不動産会社の休業日などを除く)、活動報告は1週間に1回以上です。契約の種類だけで販売成果が保証されるものではありません。

専任媒介契約も依頼先は1社ですが、売主が自分で見つけた相手との直接取引は可能です。原則としてレインズ登録は契約翌日から7日以内(不動産会社の休業日などを除く)、活動報告は2週間に1回以上です。直接取引時の通知や費用の取決めも確認しましょう。

一般媒介契約は複数社へ依頼でき、売主が自分で見つけた相手との直接取引も可能です。法定のレインズ登録・定期報告義務はありませんが、契約で定める場合があります。広告内容や価格、連絡窓口が食い違わないよう整理しましょう。

自身の売却方針や希望スケジュールに合わせて、最適な媒介契約を選ぶことで、納得のいく取引につながるでしょう。

ポイント②内覧に向けた準備を行う

売地の印象をよくするためには、内覧に向けて丁寧な準備をすることが重要です。土地であっても、雑草の除去やゴミの片付け、簡単な清掃をするだけで、第一印象は大きく変わります。

現地では、境界標の位置、通行の支障、残置物なども確認します。清掃は見学しやすさにつながりますが、売却価格や成約を保証するものではありません。境界標を自己判断で動かしたり、隣地の物を撤去したりしないようにしましょう。

こうした細やかな対応が、売却後の満足感にもつながります。

ポイント③売買契約書・重要事項説明書の内容を把握する

売買契約書や重要事項説明書には、売主・買主の権利義務が詳しく記されています。専門用語も多いため、不動産会社に任せきりにせず、事前に内容を確認することが重要です。

中でも注意したいのが「特約条項」です。境界の未確定や引き渡し条件など、売却後のトラブルに直結するような内容が含まれていることもあります。

疑問点は必ず確認し、納得したうえで署名・捺印することで、安全で円滑な取引につながります。

売買契約後

売買契約を締結したあとも、売主としての役割が終わるわけではありません。引き渡しまでの各種手続きや、譲渡所得が発生した場合の確定申告など、売主が対応すべき重要なポイントがあります。

  • ポイント①引き渡し期日を守る
  • ポイント②確定申告を行う

詳しく見ていきましょう。

ポイント①引き渡し期日を守る

売買契約には、土地の引き渡し期日が明確に定められています。この日までに、必要書類の準備や土地の明け渡しを滞りなく進めておくことが、売主としての責任です。

期日に間に合わない場合、契約不履行と見なされ、損害賠償を求められる可能性もあります。とくに買主が住宅ローンを利用しているケースでは、金融機関との決済スケジュールにも影響が出るため、事前の段取りが欠かせません。

余裕を持ったスケジュール管理と、関係者との綿密な調整を心がけましょう。

ポイント②確定申告を行う

課税される譲渡所得がある場合は、原則として翌年の確定申告が必要です。申告期間は通常2月16日から3月15日ですが、その年の正式な期限を確認してください。特例の適用を受けて税額が0となる場合にも、申告が必要なことがあります。

はじめて確定申告を行う方は、必要書類の収集や記載内容の把握に時間がかかることもあります。売買契約書や登記事項証明書、取得時の資料などは、早めに整理しておくと安心です。

税率の区分は、売った年の1月1日時点の所有期間が5年を超えるかで判定します。相続・贈与による取得では原則として前の所有者の取得時期を引き継ぎます。適用できる控除や取得費の内容も確認しましょう。

申告を怠ると、延滞税や加算税の対象になるだけでなく、各種特例の適用も受けられなくなる可能性があります。不安な点があれば、税理士などの専門家に相談しながら進めるのが確実です。

土地を売却する際のパターン別の注意点

土地の売却といっても、その状況はさまざまです。所有形態や取得の経緯、土地の利用状況によって、取引における注意点や手続きは異なります。

ここでは、代表的な5つのケースに分けて、売却時に押さえておきたいポイントを解説します。

  • 共有名義の土地を売却する
  • 相続または贈与によって取得した土地を売却する
  • 古家つきの土地を売却する
  • 貸している土地を売却する
  • ローン残債のある土地を売却する

詳しく見ていきましょう。

共有名義の土地を売却する

共有名義の土地は、登記事項証明書で共有者と持分を確認します。土地全体を任意に売却するには、原則として共有者全員の合意が必要です。持分の過半数があっても、単独で土地全体を売れるわけではありません。

主な検討方法は次のとおりです。持分に担保がある場合や共有者間で合意できない場合などは、個別の確認が必要になります。

  • 自分の持分のみを売却する
  • 共有物分割の合意などを整え、必要な分筆・持分移転登記をして単独所有となった土地を売却する
  • 共有者全員の同意を得て一括で売却する

分筆は土地の区画を登記上分ける手続きで、それだけで共有は解消されません。自分の持分のみを売る場合も、価格や買主の利用、他の共有者との関係に課題が生じ得ます。全体を売る場合の本人確認や委任方法を含め、弁護士・司法書士・土地家屋調査士などへ相談しましょう。

日程調整には、時間の余裕を持っておきましょう。

相続または贈与によって取得した土地を売却する

相続や贈与の登記が未了でも、売却相談や査定、資料収集から着手できます。ただし、買主への所有権移転に必要な登記を整える必要があるため、名義・取得経緯・登記の順序を司法書士などに確認し、契約や決済の日程を決めましょう。

相続登記の書類は、法定相続・遺産分割・遺言などで異なります。遺産分割協議による場合の主な資料の例は次のとおりです。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍類、住民票の除票または戸籍の附票、相続人の戸籍など
  • 不動産を取得する相続人の住民票など住所を証する資料
  • 遺産分割協議書と必要な印鑑証明書、固定資産評価額の資料など

相続人が複数いるだけで必ず遺産分割協議書が必要になるわけではありません。法定相続分で登記する場合や遺言による場合など、必要書類や省略できる資料を法務局や司法書士に確認しましょう。

相続・遺贈で取得し、その取得者に相続税が課されている財産は、一定期間内の売却について相続税額の一部を取得費に加算できる場合があります。期限は相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。加算額には上限があり、相続税全額を差し引く制度ではありません。

取得費加算の適用には計算明細書などを添えた確定申告が必要です。対象期間や他の特例との関係、計算方法を税務署や税理士へ確認してください。

関連記事:相続した土地を5年以内に売却するのは注意?その理由を解説

古家つきの土地を売却する

築年数が経過した古家が建っている土地を売る場合は、古家付きのまま売るか、更地にして売るかの選択が必要です。

古家を残す場合は、建物の状態や利用可能性、残置物、契約不適合責任の範囲を確認します。住宅用地の税の特例は一定の要件によるもので、古家が建っていれば必ず継続するとは限りません。売主・買主のどちらが、いつ解体するかも契約で明確にしましょう。

解体して売る場合は、工事費・石綿の事前調査や処理・残置物撤去などを見積もります。住宅用地の特例が外れると固定資産税等の負担が変わる場合がありますが、実際の税額が一律に6倍になるわけではありません。課税基準日や建替えの例外を含め、自治体に確認しましょう。

解体前には、接道・用途地域・建築制限や既存建物の状況を確認します。現在の建築基準に適合せず再建築できない土地では、建物を壊すと利用の選択肢を失うおそれがあります。自治体の建築担当窓口などへ確認してから判断しましょう。

関連記事:【完全版】古い家を売るには?|売却方法・手続き・税金・注意点を徹底解説

貸している土地を売却する

土地を貸している所有者は、借地権そのものを売る借地人と立場が異なります。契約の種類や借主の権利を確認したうえで、次のような方法を検討します。

  • 適法な契約終了や合意解除などで明渡しが整った後に売却する
  • 貸している状態の土地(底地)を、借地人または第三者へ売却する

売りたいという理由だけで借地人に退去を求められるとは限りません。普通借地契約の更新拒絶などには正当事由の確認が必要で、定期借地などとは扱いが異なります。底地の売却では借地権の対抗要件や貸主の地位の承継、敷金等の精算を確認し、賃料・期間・利用制限を踏まえて条件を決めます。

土地の賃貸借契約書や更新の経緯を整理し、不動産会社に売却条件を相談しましょう。明渡しや契約終了、権利関係に争いがある場合は弁護士へ相談し、無理に退去や解体を進めないことが大切です。

ローン残債のある土地を売却する

ローンが残っていても売却を検討できますが、抵当権のない状態で引き渡す場合は、通常、完済と抵当権抹消の手配が必要です。売却代金だけでなく、諸費用や返済手数料を含めて資金を確認します。

代金で返済できる見込みでも、金融機関への事前連絡と、返済額・期限・必要書類の確認が必要です。不足額を自己資金で補えない場合は、債権者の同意を得る任意売却などの検討が必要となるため、売買契約を進める前に相談しましょう。

任意売却は、単に相場より安く売ることではなく、返済や担保の解除について債権者と調整する手続きです。成立する保証はなく、売却後に債務が残る場合もあるため、残債の返済方針も確認します。

土地を売却するときに発生する費用

土地を売却する際は、つい売却益に注目しがちです。しかし、実際にはさまざまな費用が発生します。

古家の解体や測量は、土地の状態と契約条件により必要性が変わります。下表は主な費用と確認点です。一律の相場として判断せず、作業内容と見積もりを確認してください。

土地売却にかかる主な費用と確認点
項目金額の考え方詳細
解体費用建物・現場条件に応じて見積もり構造・面積・接道、石綿調査や処理、廃棄物、残置物の範囲などで変動
測量費用測量の範囲と現場条件に応じて見積もり資料調査、測量、隣地等との確認、必要な登記の範囲と期間を確認
仲介手数料原則の上限例:(売買価格×3%+6万円)+消費税売買価格が400万円超の場合(建物の消費税は除く)。800万円以下の宅地・建物には、費用を勘案し事前合意することで依頼者一方につき税込33万円までとする特例あり。金額・支払時期を確認
繰上げ返済手数料金融機関・契約・返済方法による一括返済の手数料、利息精算、申込期限を金融機関に確認
登記・司法書士報酬など税額と依頼する手続きごとの報酬抵当権抹消、住所変更などの登録免許税と専門家報酬を区別して確認

これらの費用は、土地の状態や売却の進め方によって変動します。思わぬ出費を防ぐためにも、売却前に不動産会社に詳細な見積もりを依頼しておくと安心です。

土地を売却するときに発生する税金

土地の売却では、紙の契約書を作るときや登記を行うとき、課税される譲渡所得が生じるときなどに税金が関係します。ここでは、税目・特別控除・取得費が分からない場合の確認点を整理します。

  • 土地を売却するときにかかる税金の種類
  • 特別控除の事例と適用例
  • 取得費が不明な場合の税金の算出方法

詳しく確認していきましょう。

土地を売却するときにかかる税金の種類

土地を売却する際には、下記の税金が関係してきます。

土地売却に関係する税金と確認点
税金の種類詳細金額・税率の目安
印紙税
  • 課税対象となる紙の売買契約書の作成にかかる税金
  • 記載金額などで税額が異なる。電子契約の電磁的記録自体には印紙税はかからない
例:1,000万円超5,000万円以下は1万円(2027年3月31日までに作成する不動産譲渡契約書の軽減税率)
登録免許税
  • 登記手続き時に発生する税金
  • 抵当権の抹消登記などで発生
抵当権抹消は不動産1個につき原則1,000円。土地・建物がそれぞれ1個なら計2,000円。司法書士報酬は別
譲渡所得税
  • 土地の売却益(譲渡所得)に課される税金
  • 所得税・復興特別所得税と住民税では、申告後の納付方法・時期が異なる
  • 売った年の1月1日時点で所有5年超:通常20.315%

(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

  • 売った年の1月1日時点で所有5年以下:通常39.63%

(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)

これらは売却額や登記の有無、利益の有無によって金額が変動するため、あらかじめ把握しておくことが重要です。譲渡所得税は納税額が大きくなりやすいため、事前にシミュレーションしておくと安心です。

特別控除の事例と適用例

自分が住んでいた家屋とその敷地などは、条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を差し引く特例の対象になります。所有期間の長短だけで決まる制度ではなく、使っていない土地がすべて対象になるわけではありません。

住まなくなった家を取り壊して敷地を売る場合には、次のような条件があります。「解体後1年以内」は売買契約の締結期限で、実際に売る期限とは区別します。ほかの特例や住宅ローン控除との関係も確認が必要です。

  • 取壊しから1年以内に敷地の売買契約を結び、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る
  • 取壊しから売買契約を結ぶ日まで、敷地を貸駐車場など他の用途に使わない
  • 買主が配偶者・直系血族など一定の特別な関係にある相手でないなど、制度の要件を満たす

参考:国税庁|マイホームを売ったときの特例

特例の適用には必要書類を添えた確定申告が必要です。居住や解体・契約の日付、過去の特例利用などを整理し、税務上の適否は税務署や税理士へ確認しましょう。

取得費が不明な場合の税金の算出方法

取得費が分からない場合や実際の取得費が売却額の5%より少ない場合は、売却額の5%を取得費とすることができます。譲渡所得は売却額から取得費・譲渡費用を差し引き、適用できる特別控除があればさらに控除して計算します。まず購入時の契約書や領収書などを調べましょう。

土地・建物の譲渡所得に対する通常の税率
項目所得税住民税復興特別所得税率合計税率
短期譲渡所得(売った年の1月1日時点で所有5年以下)30%9%0.63%39.63%
長期譲渡所得(売った年の1月1日時点で所有5年超)15%5%0.315%20.315%

※復興特別所得税は、所得税額の2.1%が加算されます

参考:国税庁|取得費が分からないとき
国税庁|土地や建物を売ったとき

所有期間は「取得した年の1月1日から」ではなく、取得時期をもとに「売った年の1月1日時点」で判定します。相続・贈与では原則として前の所有者の取得時期と取得費を引き継ぎます。通常税率と軽減税率などの特例を区別し、資料や条件を税理士へ確認しましょう。

土地活用に迷ったら不動産会社に相談を

「土地を売るべきか貸すべきか分からない」「放置している土地をどうするべきか悩んでいる」といった場合は、自分だけで判断せず、専門家の意見を取り入れることが大切です。

売る・貸す・保有を続けるなど、立地や利用条件、収支、管理の負担に応じて選択肢を比べます。不動産会社には提案の根拠や費用、実現のための条件を説明してもらいましょう。

税務判断は税務署・税理士、権利の登記は司法書士、測量や表示の登記は土地家屋調査士、紛争や法律問題は弁護士など、内容に応じて相談先を選びます。

株式会社土地未来は、土地の取引を中心に、買取・仲介・土地活用など幅広い不動産のご相談に対応しています。物件の状況やご希望を伺い、進め方をご提案します。

売却するか決まっていない段階でも、土地の状況やお悩みをお聞かせください。必要な確認事項を整理しながら、ご希望に合わせて相談を進めます。

まとめ

土地の売却や活用は、物件の条件や状況によって選ぶべき対応が異なります。後悔のない選択をするためにも、信頼できる不動産会社の力を借りることが重要です。

東京都内を中心に、不動産の売却・買取をご相談いただけます。売却を決める前の段階でも、お気軽にお問い合わせください。

「広告を広く出したくない」「権利関係や建物の状態に不安がある」といった事情もお聞かせください。情報を伝える範囲や、売却に向けて必要な確認についてご相談いただけます。

>>株式会社土地未来に売却・買取を相談する

確認した公的資料・参考情報

内容確認日:2026年9月27日。一般的な確認点をまとめています。税金・登記・契約の適用は個別の事情と手続き時点の制度により異なるため、各公的窓口や専門家に確認してください。

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