古いアパートを売却する際、築年数や物件の状態は価格や売却スピードに大きく影響します。
特に、老朽化や設備の古さが買い手にとっての懸念材料となるため、売却には慎重な計画が求められます。
しかし、適切な準備と戦略を取れば、築年数が経過した物件でも予想以上の価格で売却できる可能性があります。
本記事では、古いアパートの売却時に重要なポイントを解説し、売却成功への秘訣をお伝えします。
築年数に関係なく高値での売却を実現させるための、具体的な方法を学んでいきましょう。

宮原海斗(株式会社Gen’Z 代表取締役)
宅地建物取引士/相談診断士

横田大樹(株式会社Gen’Z 専務執行役)
宅地建物取引士/相談診断士
古いアパートを売却するための基本知識
古いアパートを売却する際は、築年数や建物の状態などが大きく影響します。
そのため、まずは本項で基本知識を確認していきましょう。
築年数が古いと売却が難しい理由
築年数が古いアパートは、資産価値が減少するため、希望通りの価格で売れないケースが多くあります。
また、外壁や屋根、水回りの劣化が進み、購入後に大規模な修繕が必要になる可能性が高く、その点も購入希望者にとって負担となります。
結果として、古い物件は新しいものに比べて買い手が少なくなり、売却までの期間が長くなることがあります。
修繕費用と間取りの影響
前項の話とも関連しますが、古いアパートの売却において、修繕費用や間取りは価格や売れやすさに重要な影響を与えます。
物件が老朽化している場合、修繕にかかる費用を重視して購入を避ける買い手も多いため、売却前に最低限の修繕を行うことが効果的です。
外壁や屋根、水回りの修繕を行うと、物件の印象を改善でき、交渉時に有利にはたらきます。
また、間取りが現代のニーズに合っていない場合もあります。
例えば、古い3点ユニットバスや和室中心の間取りは、現代の生活様式には合わないことが多いです。
リフォームのほか、簡単な間仕切り変更や洋室化などで印象を大きく変えると改善されることがあるため、売却を成功へ導くには、修繕と間取りの改善を積極的に行うとよいでしょう。
耐用年数とローンの関係
古いアパートの売却において、耐用年数とローンの関係は大きな影響を与えます。
耐用年数とは、建物が価値を保ったままどれだけ使用できるかを示す年数のことです。
国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」によると、木造は22年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造は47年となっています。
この年数を過ぎると、金融機関からの融資が難しくなるので、ローンを利用した買い手が減少することがあります。
そのため、耐用年数を超えたアパートは現金で購入されることが多く、買い手の選択肢が限られてしまうことがあります。
しかし、立地条件や土地の価値が良ければ、耐用年数を過ぎた物件でも十分に売却可能です。
耐用年数とローンの関係を理解し、それを踏まえた売却戦略を立てることが成功につながります。
耐震基準の影響と対策
1981年以前に建てられたアパートは旧耐震基準で設計されているため、現行の耐震基準を満たしていないことがあります。
このため、購入希望者や金融機関が耐震性を重視し、旧基準の物件は売却価格が下がったり、ローンが通りにくくなったりすることがあります。
これに対する対策としては、耐震診断を実施し、必要に応じて補強工事を行うことが有効です。
診断結果や補強工事の詳細を資料として提供することで、買い手に安心感を与え、売却活動を有利に進めることができます。
耐震性を確認し、適切な対策を講じることで、売却の可能性や価格を向上させることが可能です。
家賃滞納がある場合の影響
家賃滞納がある場合、古いアパートの売却に大きな影響を与える可能性が考えられます。
滞納が続いていると、買い手が不安を感じて購入を控えることが多く、売れるまでの期間が長くなる傾向があるためです。
特に、不動産会社や投資家は家賃の回収リスクを嫌うため、滞納がある物件を避けることが多いです。
しかし、解決策も存在します。
滞納分を回収するために努力したり、保証会社を利用して家賃回収を安定させたりすることで、買い手の不安を軽減できます。
どうしても滞納問題が解決できない場合は、現状のままで買い取ってくれる業者を探す方法も有効です。
家賃滞納は売却の障害となりますが、適切な対策を講じることで売却成功の可能性が高まります。
売却後の税金と確定申告について
古いアパートを売却した際、売却益に対して譲渡所得税や住民税が課される場合があります。
くわえて、売却で利益が出た場合は確定申告も必要ですので、事前に準備をしておくことが重要です。
売却益とは、売却価格から取得費、仲介手数料、登記費用などを差し引いた金額です。
特に、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が異なるため、売却タイミングも税額に影響を与えます。
なお、確定申告を通じて、必要経費の計上や税制上の特例を適用できることもあります。
売却後は必ず税務署での手続きを忘れずに行い、適切な申告を行いましょう。
古いアパートの売却方法を選ぶ
古いアパートを売却する場合、売却方法を選ぶことが成功への第一歩です。
選んだ方法によって、得られる価格やスピード、手間が大きく異なります。
築年数が経過した物件では、買い手が限られるため、しっかりと選択肢を比較し、最適な方法を選ぶことが重要です。
以下で、各売却方法の特徴について詳しく見ていきましょう。
仲介での売却とそのメリット
仲介での売却は、高値で売却したい方に有力な方法です。
仲介の場合、複数の購入希望者に物件を紹介できるため、競争が生まれやすく、希望価格での売却が期待できます。
特に、需要のある都市部やエリアの物件であれば、大きなメリットが得られる可能性があります。
プロの不動産会社に、宣伝や内見調整、契約手続きなどのサポートを依頼すれば、初めて売却する方でも安心です。
ただし、買い手が見つかるまでに時間がかかることもあるため、急いで現金化したい場合には不向きである点に注意が必要です。
買取業者による直接買取の利点
早く確実に現金化したい場合、買取業者による直接買取は有効な方法です。
仲介での売却と異なり、買い手を探す時間が不要で、業者が物件の現状で買い取ってくれるため、修繕費をかける必要がありません。
また、入居者がいる場合や家賃滞納などの問題があっても業者が対処してくれることが多いです。
売却期間が短く、手間やストレスも少ないため、急いで現金が必要な方や管理から解放されたい方に特におすすめです。
高値で売却するためのポイント
古いアパートを高値で売却するためには、戦略的な工夫が不可欠です。
築年数が経過している物件でも、売り方や準備を工夫することで、想定以上の価格で売却できる可能性があります。
市場の状況や物件の特徴をよく理解し、適切な方法を選ぶことが成功の鍵です。
古いアパートは新築や築浅物件に比べて買い手が限定されがちですが、複数の不動産会社に査定を依頼したり、売却時期を見極めたりすることで、物件の魅力を最大限に引き出すことが可能です。
高値で売却するためのコツを、以下でさらに詳しく解説します。
複数の不動産会社に査定依頼
高値で売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが効果的です。
複数社に依頼することで、自分の物件の正確な価値が把握でき、より高値で売却できる可能性が広がります。
不動産の査定額や評価基準は、不動産会社によって異なるため、一社だけで決めてしまうと後悔につながりかねません。
古いアパートに特化した不動産会社もあれば、そうでない会社もあるため、複数社に相談することで相場や販売戦略を比較すると、納得のいく価格で売却しやすくなります。
査定依頼は無料で行えることが多く、手間も少ないため、ぜひ活用しましょう。
売却のタイミングを見極める
高値で売却するためには、売却のタイミングを見極めることが非常に重要です。
不動産市場や季節によって、買い手の数や価格は大きく変動します。
例えば、4月や10月は新生活や転勤シーズンと重なり、アパートを探す人が増える傾向があります。
一方で、景気が悪化している時期や金利が上がっている時期は、売却価格が下がることが予想されます。
このような状況では、急いで売るのではなく、市場の動向を見ながら慎重に判断することが大切です。
また、地域の価値が上がるタイミングも売却のチャンスです。
適切な時期を選ぶことで、高値売却が実現しやすくなります。
最低限の修繕で価値を高める
高値で売却したい場合、全面的なリフォームができなくとも最低限の修繕さえ行えれば、物件の印象は大きく向上します。
特に、壁紙の張り替えや水回りの清掃、共用部分の補修などを行うと、清潔感が増し、買い手の印象が良くなります。
あわせて、玄関やエントランス、外壁など、物件の第一印象を左右する部分も重点的に修繕を施しておくとよいでしょう。
なお、過度な修繕は費用がかさむため、必要最小限にとどめておくことが大切です。
自分でできる修理から始め、専門業者に依頼するのは本当に必要な部分だけにした場合でも、売却価格を引き上げられる可能性があります。
リフォームの必要性と判断基準
古いアパートを売却する際、リフォームの有無は売却価格やスピードに大きな影響を与えるため、慎重に判断することが重要です。
特に築年数が経過した物件では、外観や設備の古さで印象を損なわないために、リフォームが有効な場合があります。
共用部分の清掃や壁紙の張り替えなど、小規模な修繕でも効果が期待できるでしょう。
「リフォームが本当に必要か」「どの程度の手を加えるべきか」を理解するために、以下で詳しく解説していきます。
そのまま売る場合のメリットとデメリット
古いアパートをそのまま売る場合、最大のメリットは手間や費用をかけずに早く売却を進められる点です。
特に急いで現金化したい方やリフォームに予算を割けない方には、非常に魅力的な方法です。
しかし、建物の老朽化や設備の劣化が目立つと、買い手が見つかりにくくなる可能性があり、価格交渉で不利になることが多いです。
手間はかからず早く売却できる一方で、価格が下がるリスクがある点はデメリットです。
リフォームして売る場合の利点
リフォームを行ってから古いアパートを売ることで、物件の印象が大きく向上し、売却価格を引き上げられる可能性が高まります。
見た目が整った物件は、購入希望者に「このまま住めそう」と思われることが多く、売却活動がスムーズに進みやすいです。
また、古いアパートでは設備の古さが不安要素となるため、キッチンやトイレの更新など、目立つ部分をリフォームすることで買い手の安心感を得やすくなります。
ただし、リフォーム費用が過剰になると利益が減少するため、必要な部分だけを選んで工事を行うことが重要です。
判断のポイントを解説
リフォームを行うかそのまま売るかを判断する際には、物件の状態や周辺市場の状況、費用対効果を総合的に考慮する必要があります。
近隣でリフォーム済みの物件が高く売れている場合、リフォームを行った方が有利になる可能性が高いです。
一方で、過剰な修繕費が回収できるか不安に感じる方もいるでしょう。
その場合は、最低限の修繕を施し、現状のままで売却する方法も十分選択肢となります。
また、アパートの耐震性や間取りが古い場合、大規模なリフォームが効果的でない場合もあります。
複数の不動産会社に査定を依頼し、リフォーム後の売却予想価格を比較することで、最適な選択が可能になります。
まとめ:古いアパート売りたい方が知るべき高値売却の秘訣
古いアパートの売却には、物件の状態や売却方法が大きな影響を与えます。
築年数が経過した物件でも、修繕や間取りの改善、売却時期を見極めることで、高値で売却することは十分に可能です。
複数の不動産会社に査定を依頼し、売却タイミングを慎重に見極めましょう。
また、修繕やリフォームを最小限に行うことで、物件の魅力を引き出し、買い手に良い印象を与えることができます。
古いアパートの売却を成功させるためには、戦略的な準備と情報収集が不可欠です。


