②不動産売却

中古住宅を売却するには?売却までの流れや注意点を解説

様々なご事情から、大切なお住まいである「中古住宅」の売却を検討し始める方は少なくありません。しかし、多くの方にとって不動産の売却は、人生で一度あるかないかの、まったくの未知の経験です。

「一体、何から手をつければ良いのか分からない…」

「うちの家って、いくらくらいで売れるんだろう?」

「売却には、どんな費用や税金がかかるの?」

「信頼できる不動産会社って、どう選べばいいの?」

このように、たくさんの疑問や不安が浮かんでくるのは当然のこと。不動産の売却は、大きなお金が動くだけでなく、法律や税金といった専門知識も求められる、非常に複雑なプロセスです。正しい知識がないまま進めてしまうと、思わぬ損をしたり、後からトラブルに巻き込まれたりするリスクもあるのです。

この記事では、そうした不安を抱える方のために、不動産のプロフェッショナルの視点から「売却の流れをステップごとに解説」しながら、各フェーズで必ず押さえておくべき注意点もセットでお伝えしていきます。

売却を成功させ、納得のいく結果を得るために、ぜひ最後までお読みください。

監修者
宮原海斗

宮原海斗株式会社Gen’Z 代表取締役

宅地建物取引士/相談診断士

横田大樹

横田大樹株式会社Gen’Z 専務執行役

宅地建物取引士/相談診断士

中古住宅売却の流れ

中古住宅の売却は、一般的に、以下のような7つのステップで進んでいきます。

全体の流れを把握しておくことで、今、自分がどの段階にいるのかを、客観的に理解でき、計画的に、そして安心して手続きを進めることができます。

①物件の相場を調べる

まず、全てのスタートは、ご自身が売却しようとしている物件が、現在、市場で、どれくらいの価格で取引されているのか、その「相場」を、ご自身で調べてみることから始まります。 不動産情報ポータルサイト(SUUMOや、LIFULL HOME’Sなど)で、ご自宅と、同じエリア、同じくらいの広さ、同じような築年数の物件が、いくらで売りに出されているのかを、いくつか見てみましょう。 これにより、「うちの家も、大体これくらいで売れるのかもしれないな」という、大まかな価格の当たりをつけることができます。この作業が、後の、不動産会社とのやり取りを、スムーズに進めるための、重要な土台となります。

②不動産仲介会社を探して査定を依頼する

次に行うのが、売却活動の、最も重要なパートナーとなる「不動産仲介会社」を探し、専門家による、より正確な「価格査定」を、依頼することです。 不動産会社の査定には、机上査定(簡易査定)と、訪問査定(詳細査定)の2種類があります。

まずは、インターネットの一括査定サイトなどを利用して、複数の会社に、机上査定を依頼してみるのが良いでしょう。 そして、その中から、提案内容や、対応が丁寧だと感じた、3社から4社程度に、実際に家に来てもらい、訪問査定を依頼します。この訪問査定によって、より精度の高い現実的な売却可能価格が提示されます。

関連記事:不動産の売買に仲介業者はいらない?利用すべき理由を解説

③不動産仲介会社と媒介契約を締結する

査定価格や、販売戦略、そして担当者の人柄などを、総合的に比較検討し、売却活動を任せる、たった一社の不動産会社を決定します。

そして、その会社と正式に売却の仲介を依頼するための「媒介契約」を結びます。

この媒介契約には、3つの種類があり、それぞれに特徴があります。

契約の種類複数社との契約自己発見取引の可否レインズへの登録義務業務報告の義務
一般媒介契約可能可能なしなし
専任媒介契約不可可能7日以内2週間に1回以上
専属専任媒介契約不可不可5日以内1週間に1回以上
  • 一般媒介契約: 複数の不動産会社に、同時に仲介を依頼できる、最も自由度の高い契約です。広く情報を公開し、多くの購入希望者を見つけたい場合に有効ですが、不動産会社側の、販売活動への熱意が、薄れがちになる、というデメリットもあります。
  • 専任媒介契約: 仲介を、一社の不動産会社に、限定して任せる契約です。ただし、売主自身が、知人など、買主を見つけてきた場合(自己発見取引)は、その人と直接、契約することができます。不動産会社は、責任を持って、販売活動に取り組んでくれる傾向にあります。
  • 専属専任媒介契約: 仲介を、一社に限定し、かつ、自己発見取引も、認められない、最も拘束力の強い契約です。不動産会社は、販売活動の状況を、1週間に1回以上、売主に報告する義務があり、最も手厚いサポートが、期待できます。

④売却活動をする

媒介契約を結んだら、いよいよ、本格的な売却活動のスタートです。不動産会社は、自社のウェブサイトや、不動産ポータルサイトに、物件情報を掲載したり、チラシを作成して配布したりと、様々な方法で、購入希望者を探します。

そして、物件に興味を持った人が現れたら、「内覧」の対応が必要になります。内覧は、購入希望者が、その家を「買うか、買わないか」を、最終判断する、非常に重要な機会です。部屋をきれいに掃除・整頓しておくことはもちろん、当日は明るい笑顔で購入希望者を迎え、家の良いところを、積極的にアピールしましょう。

関連記事:不動産を売却する際に必要な書類と準備するタイミングを解説

⑤購入希望と契約内容を交渉する

内覧の結果、購入を希望する人が現れると、不動産会社を通じて、「購入申込書(買付証明書)」が提示されます。

ここには、購入希望価格や、手付金の額、住宅ローンの利用の有無、そして、引き渡し希望日といった、購入希望者の、条件が記載されています。

この条件に対して、売主として全てを承諾するのか、あるいは価格や引き渡し時期などについて、交渉を行うのかを不動産会社の担当者と相談しながら決めていきます。

この交渉が、双方にとって円満に合意に至ることが売買契約への重要なステップとなります。

⑥不動産売買契約を締結する

価格や引き渡し条件など、全ての条件について売主と買主の双方が合意に至ったら、正式な「不動産売買契約」を締結します。

売主、買主、そして不動産会社の担当者が、一堂に会し宅地建物取引士が契約に関する重要な事項を説明(重要事項説明)した後、売買契約書に署名・捺印をします。

この際、買主からは売買価格の一部として、売買価格の5%~10%程度の「手付金」が、売主に支払われます。

この手付金は最終的に、売買代金の一部に、充当されることになります。

⑦残代金を受領し、不動産を引き渡す

契約からおよそ1ヶ月後、いよいよ最終的な決済と物件の引き渡しの日を迎えます。通常、買主が住宅ローンを組む金融機関などで行われます。買主から売買代金の残額(売買価格から手付金を引いた額)が売主の口座に振り込まれるのを確認します。同時に、売主は物件の鍵を買主に引き渡します。また、この場で司法書士が物件の所有権を売主から買主へ移転するための「所有権移転登記」の手続きを行い、これをもって全ての売却プロセスが無事に完了となります。

中古住宅売却にかかる費用

中古住宅の売却では、売却代金がまるまる手元に残るわけではありません。売却に伴う、いくつかの費用や、税金がかかることをあらかじめ理解しておく必要があります。

①仲介手数料

これは売却活動のパートナーである不動産仲介会社に支払う成功報酬です。その上限額は宅地建物取引業法によって定められており、一般的に「売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税」という速算式で計算されます。例えば、3,000万円で家が売れた場合、仲介手数料の上限は105万6千円となります。この支払いは売買契約時と引き渡し時に半金ずつ支払うのが一般的です。

②税金

売却に伴い、いくつかの税金が発生します。

  • 印紙税: 不動産売買契約書に、貼付する印紙の代金です。売買価格によって、税額は異なります。
  • 登録免許税: 住宅ローンが残っている場合に、その抵当権を抹消するための、登記にかかる税金です。
  • 譲渡所得税・住民税: 家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合にのみ、その利益に対して課税される税金です。購入時よりも安く売れた場合は発生しません。また、マイホームの売却には様々な特例があり、多くの場合この税金がかからないケースがほとんどです。

③抵当権抹消費用

住宅ローンがまだ残っている状態で家を売却する場合に必要となる費用です。ローンを完済するためには金融機関に一括返済のための手数料を支払う必要があります。また、不動産に設定されている金融機関の「抵当権」を抹消するための登記手続きを司法書士に依頼する必要があり、その報酬と前述の登録免許税がかかります。これらの費用は通常、買主から受け取る売買代金の残金から支払われることになります。

関連記事:親の家はどうやって売る?売却の流れや税金についても解説

中古住宅売却の注意点

最後に、中古住宅の売却プロセスにおいて特に注意すべき点を4つご紹介します。

これらを、事前に理解しておくことが、後のトラブルを未然に防ぐための鍵となります。

売却に必要な書類の準備

売却の手続きには、様々な書類が必要となります。いざという時に、慌てないようあらかじめ準備しておきましょう。

  • 登記済権利証 または 登記識別情報通知: その不動産の、所有者であることを証明する、最も重要な書類です。
  • 物件の資料: 新築時の、パンフレットや、設計図書、あるいは、設備の取扱説明書など。
  • 売却に必要な費用: 仲介手数料や、印紙代などの、現金。
  • 実印と印鑑証明書: 契約書や、登記書類に、捺印するためのもの。これらの書類を、事前に、確認・準備しておくことで、手続きが、スムーズに進みます。

住宅ローンの完済手続き

住宅ローンが残っている家は、その抵当権を抹消しなければ売却することはできません。つまり、売却の前提として住宅ローンを全額完済する必要があるということです。多くの場合、買主から売買代金の残金を受け取ったその同じ日に、そのお金を使って金融機関にローンを一括返済し、抵当権の抹消手続きを同時に行います。売却価格がローン残高を下回ってしまう、いわゆる「任意売却」の場合は、より複雑な手続きが必要となるため早めに不動産会社や金融機関に相談することが重要です。

契約不適合責任の確認

これは中古住宅の売却において、最も注意すべき法的な責任です。「契約不適合責任」とは、売却した物件に契約書に記載されていなかった隠れた欠陥(例えば雨漏りやシロアリ被害、給排水管の故障など)が見つかった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。買主は売主に対して、契約の履行を求める「追完請求」や代金の減額、損害賠償、そして契約の解除などを請求することができます。こうしたトラブルを防ぐために、売却前に専門家による「ホームインスペクション(住宅診断)」を行い、建物の状態を正確に把握し、問題があればそれを正直に買主に告知することが極めて重要になります。

解約の条件や特約の内容を確認

不動産売買契約書には、どのような場合に契約を解除できるかといった、解約に関する条件が定められています。例えば、買主が手付金を放棄することで契約を解除できる「手付解除」や、買主の住宅ローン審査が通らなかった場合に白紙解約となる「住宅ローン特約」などです。こうした契約の解除条件や、その他特別な取り決めである「特約」の内容を、契約書に署名・捺印する前に隅々まで理解し、納得しておくことが、後の予期せぬトラブルを防ぐために不可欠です。

中古住宅売却の流れや費用、注意点を把握しておこう

今回は、中古住宅の売却について、その手続きの流れからかかる費用、そして特に注意すべきポイントまで、網羅的に解説しました。

不動産の売却は、多くの方にとって初めての経験であり、そのプロセスは複雑で、多くの不安を伴うものです。しかし、その一つひとつのステップを事前に正しく理解し、計画的に準備を進めることで、その不安は大きく和らげることができます。

そして、その長い道のりを伴走し、専門的な知識と経験であなたを力強くサポートしてくれる最高のパートナーとの出会いも非常に重要です。

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