②不動産売却

【完全版】古い家を売るには?|売却方法・手続き・税金・注意点を徹底解説

長年住み続けた家や相続で受け継いだ家が古くなってしまった場合、売却を検討する方は多いです。しかし、築年数が経過している物件は、一般的に買い手がつきにくく、売却価格も低くなる可能性があります。リフォームや更地にするなど選択肢が多く、どれが最適か迷うことも少なくありません。

本記事では、古い家を売る方法や具体的な手順、売却にかかわる税金や優遇措置、注意点などを徹底的に解説します。築古物件ならではの課題と向き合いながら、最適な売却戦略を考える際の参考にしてみてください。

監修者
宮原海斗

宮原海斗株式会社Gen’Z 代表取締役

宅地建物取引士/相談診断士

横田大樹

横田大樹株式会社Gen’Z 専務執行役

宅地建物取引士/相談診断士

古い家とは?まずは定義を確認

築年数や建物の構造によって「古い家」とみなされる基準は変わります。どのような要素が「古い家」の判断材料となるのかを確認しましょう。

築年数による判断基準

「築20年以上」や「築30年以上」など、一般的には流通市場で古いと認識されるラインはある程度存在します。特に木造住宅では、築20年を超えると評価が大幅に下がるケースが多いです。

法定耐用年数と影響

税務上は、法定耐用年数によって減価償却の計算が行われます。木造で約22年、鉄骨で19〜34年、RC造で47年程度とされています。築年数がこの期間を大きく超えている家は「古い家」と認識されやすいです。

耐震性・劣化状況のチェックポイント

築年数が同じでも、メンテナンス状況によって劣化度合いが異なります。耐震基準が旧耐震(1981年6月以前)か新耐震(1981年6月以降)かを確認し、雨漏りやシロアリ被害などの有無も重要な判断基準です。

古い家を売る方法5選|どの方法が最適?

古い家を売るには、「現状のまま売る」「リフォーム・リノベーションして売る」など、いくつかの選択肢があります。自分の家の状態や経済状況、スケジュールに応じて最適な方法を選びましょう。

そのまま売る(リノベーション前提での売却)

あえて現状渡しとし、買主にリノベーションやリフォームを委ねる方式です。解体費やリフォーム費用を売り主が負担せずに済むため、初期コストを抑えられます。反面、買主がリフォーム費用を考慮するため、売却価格は低めになりやすいです。

リフォーム・リノベーションして売る

売り主があらかじめリフォームやリノベーションを行い、家の価値を高めて売る方法です。築古物件でも内装をきれいにすれば高値で売れやすい反面、工事費用と工期がかかるデメリットがあります。

古家付き土地として売る

建物の老朽化が進んでいる場合、「土地」の価値を重視して売りに出すことが一般的です。建物はおまけとみなし、土地メインの売買になります。買主が建替えや解体を前提に購入するため、スムーズな売却が期待できます。

取り壊して更地にして売る

事前に建物を解体し、更地として売る方法です。建物の状態を気にせず土地の価値にフォーカスできる一方、解体費を売り主が負担する必要があります。固定資産税の優遇がなくなる点にも注意が必要です。

不動産買取業者に売る

不動産会社が買主となる「買取」は、仲介を介した売却よりもスピーディーです。ただし、買取価格は相場より低めになる傾向があります。すぐに現金化したい場合や、長期にわたる売却活動を避けたい方には有効な手段です。

関連記事:不動産売却にかかる税金のすべて|計算方法・節税対策・確定申告の流れを解説

古い家を売る具体的な手順

方法を決めたら、実際の売却手順に移ります。
以下の6ステップを把握しておけば、迷わずに進めやすいです。

価格相場を調べる

まずは周辺エリアの成約事例や不動産ポータルサイトなどを活用し、土地や建物の相場を把握します。
築年数・構造・立地条件などが似ている物件の成約価格を参考にしましょう。

不動産会社に査定を依頼

複数の不動産会社に査定を依頼し、具体的な売却価格の目安を確認します。古い家の場合は査定額にばらつきが出やすいので、3〜5社程度の比較がおすすめです。

関連記事:不動産会社の種類とは?賃貸仲介の仕事内容や手数料も解説

媒介契約を締結

信頼できる不動産会社を選んだら「媒介契約」を結びます。一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があり、それぞれ売却活動の範囲や報告義務が異なります。

売却活動の開始

不動産会社が広告や内覧調整などを行います。内覧時には、整理整頓や必要最小限のクリーニングを行い、買主に良い印象を与える工夫をしましょう。

売買契約の締結と引渡し

買主が見つかったら条件を交渉し、合意すれば「売買契約」を締結します。契約後に決済し、家と土地の引渡しを行います。名義変更や登記関連の手続きもこの段階で行います。

確定申告を忘れずに

不動産売却で利益(譲渡所得)が出た場合は、翌年の確定申告が必要です。各種特例が使えるかどうかを確認し、期限内に申告・納税を行いましょう。

古い家を売る際の注意点

築古物件特有の注意事項があります。
以下の5つを把握しておくと、後々のトラブルが減り、スムーズな売却につながります。

家財はすべて撤去する

家財道具が残ったままの状態だと、買主への引渡し時に余計な手間がかかる可能性があります。原則として室内を空にして売却するのがスムーズです。

住宅ローンの残債を確認する

ローンが残っている場合、売却金額で完済できなければ抵当権が抹消できず、売却が進まないかもしれません。早めにローン残高を確認し、売却シミュレーションを行いましょう

土地の境界確認と測量の必要性

境界が不明確だと買主が不安を感じ、成約が遅れる要因になります。隣地との境界を確定する測量を行い、境界標を設置すると信頼度が高まります

耐震診断・インスペクションの活用

築年数が古いと、耐震性を気にする買主は多いです。耐震診断やインスペクション(建物検査)を実施し、結果を公表することで買主の安心感を高められます。

解体する場合の固定資産税に注意

古い家を解体して更地にすると、固定資産税の住宅用地の特例が外れるため、翌年度から大幅に税額が上がる可能性があります。売却のタイミングを考慮してから解体を検討すると良いでしょう

古い家を売るときにかかる費用

売却には、仲介手数料や譲渡所得税などのコストがかかります。あらかじめ必要経費を把握し、手取り額のシミュレーションを行いましょう。

仲介手数料

不動産会社を通じて売却する場合、売却価格×3%+6万円(消費税別)を上限として仲介手数料がかかります。大きな負担となる場合があるため、予め計算しておくことが重要です。

関連記事:不動産の売買に仲介業者はいらない?利用すべき理由を解説

譲渡所得税(売却益が出た場合)

売却で利益が発生した場合、所得税と住民税がかかります。所有期間やマイホーム特例などによって税率や特別控除が変わるため、専門家に相談すると安心です。

測量費・登記費用

土地の境界を確定する測量や、抵当権抹消登記などが必要な場合、数十万円規模の費用が発生することがあります。売却前に確認しておきましょう。

解体費用(更地にする場合)

建物の解体費用は、構造や面積に応じて大きく異なります。木造家屋であっても100万円以上かかるケースもあり、RC造や鉄骨造だとさらに高額になる可能性があります。

古い家を売るときに使える税制優遇措置

マイホーム売却や相続した空き家など、一定の条件を満たす場合には税制優遇が受けられます。適用要件や手続き期限に注意しましょう。

関連記事:不動産の相続はどこに相談すべき?相談先をケース別に紹介

3,000万円の特別控除(マイホーム売却時)

自宅を売って得た譲渡所得から3,000万円を差し引ける特例。所有期間などの要件を満たす必要がありますが、実質的に譲渡所得税が大幅に軽減されます。

相続した空き家の3,000万円控除

相続または遺贈で取得した家屋を一定期間内に売却する場合、3,000万円の特別控除が使える制度があります。耐震改修や家屋の解体など、条件に合致するか確認することが重要です。

関連記事:土地の相続に関する完全ガイド|手続き・費用・税金・注意点を徹底解説

低未利用地の100万円控除

都市計画区域内の低未利用地を譲渡した場合、譲渡所得から最大100万円が控除される特例があります。活用できれば、古い家とともに売却する際の負担軽減になるかもしれません。

所得税・住民税の軽減制度

譲渡所得の税率が軽減される特例も存在します。具体的には「10年超所有の場合の軽減税率の特例」などが該当します。要件は厳しめなので詳細は専門家や税務署に確認すると良いでしょう

古い家がなかなか売れない場合の対策

売りに出しても買い手がつかない場合、売却戦略や価格設定などを見直す必要があります。以下に5つの対処策を挙げます。

不動産会社を変える

担当者のやる気や販売戦略が合わないと、成約まで時間がかかる場合があります。複数の業者に査定を依頼して、新たな視点で再スタートするのも一つの方法です。

価格を見直す

売却価格が相場より高すぎると、買い手が付きにくくなります。相場を再調査し、価格を下げることで問い合わせが増えることがあります。

ホームステージングを活用する

家具や小物をコーディネートし、部屋の魅力を引き出すホームステージングを実施すると、購入希望者の印象が良くなり売れやすくなる場合があります。

補助金を活用してリフォームする

自治体が実施しているリフォーム補助金を利用して、外壁や水回りを部分的に改修することで家の印象を大きく変えられます。補助金の条件や期限を確認しながら検討すると良いでしょう。

買取専門業者を利用する

築古や瑕疵のある物件でも、買取専門業者が買い取ってくれる可能性があります。仲介より価格は下がりがちですが、速やかに手続きを済ませたい方には適した選択肢です。

【まとめ】古い家をスムーズに売ろう

築年数や劣化状態が進んだ家を売るには、現状渡し、リノベーション、古家付き土地、解体、更地売却、不動産買取など多彩な方法があります。

それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の状況や費用負担、売却までの期間などを考慮しながら最適な手段を選びましょう。 また、売却手続きの流れや必要な書類、税金の計算や特例など、事前に理解しておくとスムーズに進められます。

特に相続や住宅ローン残債が絡むケースでは、プロの意見を取り入れることが重要です。最終的には信頼できる不動産会社や専門家と連携し、納得のいく形で古い家を売却することを目指しましょう。

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